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印刷・プリプレスシステム

設備投資は慎重にして大胆  東京からの受注も開始

矢沢印刷株式会社 様(以下 敬称略/長野市/矢澤廣子社長)は2006年セイコーアイ・インフォテックの校正システム「LP-1010」を導入し、下請け専門会社としての生産体制を強化した。
同社は1954年に矢澤五郎氏が長野市で創業し、下請け一筋で同業者を支援してきた。得意分野は頁物印刷物だが、パッケージや商業印刷物、大量印刷から多品種少量印刷、FMスクリーニング、高精細印刷まで幅広く受注している。

case04_ph1.jpg現 在の矢澤廣子社長は三代目。6年前に先代社長で夫の直房氏が急逝し、「それまで仕事の手伝いといっても電話番ぐらいでした。右も左もわからないまま事業を 継承しました」(矢澤社長)と振り返る。会社経営はもとより、印刷独特の用語や言い回しも一から習得。この6年間は苦労の連続だったようだ。

一方、設備投資に関しては慎重にして大胆な方針を貫く。下請け専業者は、顧客である印刷会社よりも早く最新の設備を導 入することが肝心。しかも顧客はプロばかりで、間違った設備を導入すれば命取りになる。このため「設備投資はいつも背水の陣の心得」と設備選択の目はかな り厳しい。

CTPを導入したのは1997年。国内ではまだ普及が始まる前の段階からフルデジタル化に挑戦している。2004年に 富士フイルムのバイオレットCTP「ラクセルV-9600」の導入がすでに4機目となる。製版設備はダイレクト製版機とCTPを併用しているが、すでに CTP出力は全版数の5割を超えた。2006年7月にはハイデルベルグの菊全八色両面兼用機を導入。印刷機の自動化設備を積極的に装備して生産性も向上し ている。

もともと長野市は他の地方都市に比べて印刷業が盛んで、分業化された専業者が多い。同社はそうした長野市の製版、刷 版、印刷、製本の六社の専業者と共に協業グループ「P. NET信州」を立ち上げ、企画・制作から納品までワンストップ化できる体制を整えた(6社合計300名の総合印刷グループ)。また、P. NET信州として竹橋プリンティングセンター内に東京営業所を置き、東京からの受注も開始している。

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校正品質の要求高まる  細字・写真品質を向上

CTPワークフローを構築する上で、どの印刷会社も「校正」が課題になる。同社も以前はモノクロ頁物であっても大判インクジェットプリンタで校正紙を出力していた。

同社の西澤仁男課長は「お客様には面付けして折った状態で校正を見てもらいます。当社としても面付けした校正紙で最 終確認を取りたい。でもインクジェットではどうしても出力に時間がかかります。運送会社と交渉したり、頁数が多くなると今日半分出して、明日半分を届けま すという状態でした」と述べる。校正の出力待ちで納期が縮まらないこともあり、大きな課題になっていた。

とくに元請の印刷会社よりも下請け専業には短納期が求められる。このため、大判のLEDモノクロプリンタを導入し、 モノクロ頁物の校正出力に利用し始めた。「1分間に5、6枚も校正紙が出る。インクジェットの時は他の作業が終わっているので早く帰りたいな、と思っても 残らざるを得なかったのですが、LEDプリンタに替えて残業も減りました(笑)」とモノクロ印刷物の納期は改善された。

case04_ph2.jpgし かし、「インクジェットプリンタに比べてコストは下がりましたが、CAD専用に開発されているので精度や画質について、印刷会社の要求に応えてくれませ ん。メーカーの方針は理解できますが、当社にとってはお客様の要求に応えることができないことになります」(矢澤社長)と、校正システムの入れ替えを模索 していた。折りしも東京の重要顧客から校正の精度を上げてもらいたいという要望も出ていた。

設備選択に厳しい目を持つ同社が最終的に選択したのは、セイコーアイ・インフォテックのLP-1010印刷モデル だった。オフセット印刷・グラビア印刷・新聞向けの校正システムで、解像度が600dpi。細字や写真の再現性が高く、もともと2,400dpiや 3,657dpi等で作られたデータも独自の解像度変換方式により最適化して出力するので、変換に伴うモアレや階調飛びも発生しない。品質面で顧客先から の了承も得られた。

case04_ph3.jpgも ちろん、同業者の下請けに徹するには最新設備の導入や品質面での信頼性に加えて、低コストが求められる。元請の印刷会社は矢沢印刷から商品を購入し、発注 者に転売する形となる。このため発注者、元請の印刷会社両社に納得できる価格戦略が重要となる。校正紙はそれ自体が商品になるわけではないため、とくにコ スト面での効率が重視される。

SIIのLP-1010はトナー、用紙込みで約52円。インクジェットはもとより他社のLEDプリンタと比較しても コストパフォーマンスが高い。コスト面でも導入の決め手となった。運用面ではワンRIP化も実現した。富士フイルムのRIP「セレブラ」を中核に、CTP セッター、DDCP、LP-1010がぶら下るフローで効率化している。以前は校正を出力するRIPとCTP版を出力するRIPが別々になっていたが、 1bitTIFFが受け取れるLP-1010は様々なRIPと接続できるのも特徴で、同社も「ワンRIP化でかなりすっきりしました」(西澤課長)とい う。

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新たな市場への模索  品質強化を売りに

case04_ph3.gif同 社が得意分野にしていた地方自治体の法規集は市町村合併により減少した。このため新たな顧客開拓も同社の課題になっており、アイデスク(制作)、イシワタ グラフィックス(特殊印刷・製版)、伊原印刷(印刷)、日商印刷(印刷)、渋谷文泉閣(製本)の5社の仲間と立ち上げた「P. NET信州」はその手掛かりとなる。

同社は幅広い印刷会社に利用してもらおうとFMスクリーニングで高付加価値化にも取り組んでいる。「矢沢の品質が良くなればお客様の商売が良くなると信じています」と顧客開拓に向けて高品質を訴求していく方針だ。

矢澤社長は矢沢印刷の印刷品質を見てもらおうと、自らデジタルカメラで撮影した信州の風景を絵葉書や便箋、メモ帳に印 刷して顧客に配っている。その品質を裏で支えるLP-1010については「品質はお客様からOKが出て本物。だからLP-1010は合格です」と高く評価 する。その上で「両面出力ができればもっと良いですね」と期待も大きい。


矢沢印刷株式会社
長野市中御所4-3-13
TEL 026-228-1511
FAX 026-228-2590
http://www.yazawa-printing.com

 


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