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印刷・プリプレスシステム

CTP出力センターの先駆け企業

株式会社宗美 様(以下 敬称略/西澤泉社長)は2005年11月、CTPワークフローの校正システムとしてセイコーアイ・インフォテック(SII)の高速モノクロプリンタ「LP-1010」を導入。稼動を開始してすぐに納期、コスト、品質面で高い効果が現れている。

同社は1975年、製版・刷版の専業者として創業した。刷版業者は網点の管理や面付け・割付けなどの高い技術力を持っ ているが、現在、印刷データから直接刷版を出力するCTPが印刷会社に普及し、フィルムからPS版に焼付けする業務は減少している。同社ではPS版への焼 付け業務の減少を見越し、いち早くビジネスモデルからの変革に取り組んだ。

同社が焼付けというアナログ方式の生産体制から脱却したのは2000年だった。デジタル時代に突入した印刷会社に必要 とされる刷版業を目指し、導入が始まったばかりのサーマルCTPシステムLuxel T-9000を設備。当時は業界で未踏の分野だったCTP出力サービスを開始した。その後、同T9000HS、同T9800HSⅡを増設し、最大で1時間 当たり約60〜70版の生産体制を整え、CTP出力サービスで約160社の取引先を持つまでになった。

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LP-1010でモノクロ校正  コストが激減、生産性向上

CTPワークフローではフィルム工程が省略されるために、面付け確認や折丁確認のための青焼き校正を取ることができ ない。もしフィルムを出力し、青焼き校正を制作すると、コスト面でCTP導入のメリットがなくなる。このため校正用のプリンタ、いわゆるDDCP(デジタ ル・ダイレクト・カラー・プルーフィング)がCTPワークフローには欠かせない。

同社のDDCPは網点・印刷本紙を出力できるハイエンドのシステムと大判インクジェットプリンタを利用した簡易シス テムの二系統だった。同社の取引先の3割近くがモノクロの頁物を主体とした印刷会社なので面付けの状態を確認できる校正紙が必要だが、これらのカラー出力 用のDDCPでモノクロの頁物の校正紙を出力していたのではコスト・納期面で取引先を満足させることが難しかった。

case03_ph1.jpgそ こで同社の氏家真二専務取締役は2005年10月、東京ビッグサイトで開催された印刷機材展「JGAS2005」でモノクロ、頁物の校正システムを調査 し、SIIのブースでLP-1010と出会う。「実は2〜3年前から外校で利用できるようなモノクロの大判プリンタを探していましたが、JGAS2005 のSIIブースでLP-1010を見たときにコスト、スピード、品質面すべてで“行ける”と思った」(氏家氏)。

LP-1010は、A1判で6.2枚/分、A0判で 3.4枚/分という高速モノクロプリンタ。解像度600dpiで細字や細線の再現にも優れ、ランニングコストは菊全判で一枚当たり52円と低コスト。そう した性能が評価され、CTPワークフローの校正・検査システムとして採用する印刷会社が増加している。

同社の1時間当たりのCTP生産能力は3台合わせて最大で約60〜70版。この生産力にハイエンドDDCPと大判イ ンクジェットプリンタの出力速度で、全ての校正出力に対応するのは難しい。システムを増設すれば可能だが、コスト増につながるため現実的ではない。CTP システムの生産力が上がるにつれて、版が出力されているのに校正紙の出力待ちで納品できないという逆転現象も見られるようになった。「朝、データ入稿する とその日に版が出来あがりますが、校正紙が翌日ということもありました」と、校正紙の生産性がボトルネックとなっているのは明らかだった。

氏家氏の試算によると、校正紙の出力速度は「インクジェットの場合、A1判1枚出力するのに12〜15分かかってい ました。LP-1010の場合、約30秒に縮まります」。モノクロ校正の生産性は単純に20〜30倍に上がった計算になる。モノクロ校正紙のボトルネック が解消され、「ドンピシャリと狙いがハマった」。「LP-1010の稼働率をフルにするためにはCTPシステムの増設が必要なぐらい」とその生産能力は CTP3台分よりも高い。

case03_ph2.jpgコ スト面ではインクジェットプリンタと比較して約3分の1から4分の1。青焼き校正と比べれば約15の1に削減された。品質もインクジェットではつぶれてい た小さい文字や細線がはっきりと印字され、クレームも減った。納期・価格・品質ともに「取引先から非常に助かると喜ばれています」という。

同社はPDFなど汎用のDTPデータだけでなく、WindowsのWordやExcel、PowerPointなど オフィス系のデータも受付ている。出力できるかどうか不安なデータもある。「出力できるかどうかわからないデータはとりあえずLP-1010で出力しよう と現場では言っています。これもコストが安いからできることで、カラーインクジェットプリンタの校正システムではそうした使い方はとても無理」と、出力の 確認用途としてもLP-1010は活躍している。
LP-1010からの出力データは1bitTIFFで運用している。富士フイルム製のCelebraSuite、VarianoでRIP処理したデータを そのまま出力するRIP Onesで運用できるため、文字化けのトラブルはない。しかも校正紙で校了となれば、同じデータをそのままCTP出力に利用することができ、再RIPの手 間が省かれる。
出力した校正紙は文字校正、面付け用の校正、検版に使われるだけでなく、折丁の確認や印刷見本としても提供する。LP-1010で出力した校正紙の表裏を 貼り合わせて製本する。顧客先で製本するケースもあるが、納期の関係で印刷見本の折り・製本まで依頼されることも多い。

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主役を引き立てる名脇役  見当精度の向上に期待

case03_ph3.gifCTP出力サービスはフィルムを焼付ける刷版製版に比べて、印刷のクワエ形状や版サイズによって多種多様の版が必要になり、在庫コストがかさむ。同社でも入稿からすぐに納品できるよう常時30種類以上の版を在庫している。

サービス開始から6年経った同社では利益を出せるノウハウを整えているが、それでも「CTP出力サービスは薄利多売の ビジネス」(氏家氏)。一日当たりの版の納入枚数が売上、利益に直結してくるため、徹底したコスト管理と生産性向上が求められる。また取引先である印刷会 社よりも早く、最新機種を導入することが受注拡大につながるので設備投資の原資を絶えず確保していかなければならない。

そうしたシビアな経営環境にあって、SIIのLP-1010は校正システムという脇役だが、主役の生産能力を高め、「多売」を可能にする働きをする。

同社でもその点を高く評価している。SIIへのさらなる要望として「印刷見本、折丁を確認する際、ノンブルの位置などがより正確に出力できれば、ますますお客様からの信頼が高まると思います」と、見当精度の向上を期待している。

今後、同社ではCTP出力サービスの強化策として版を装着すればすぐに刷り出しができるよう、CIP4/JDFやCIP3/PPFデータの提供を勧めていく意向だ。


株式会社宗美
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