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印刷・プリプレスシステム

急増するCTP出力に  対応するモノクロプロッタ

国内を代表するディスクロージャー印刷の宝印刷株式会社 様(以下 敬称略/堆誠一郎社長)は2005年11月に運用を開始したCTPワークフローの校正システムとして、セイコーアイ・インフォテック (SIIT)のモノクロプロッタ「LP-1010」を採用した。採用担当の制作部制作四課長の細田昌利氏は「スピード、品質、コストともに満足していま す」と高く評価している。

同社は1952年、現会長の野村正道氏が「宝商会」として創業。1988年に店頭公開し、2003年に東京証券取引所 一部上場を果たした。企業の情報公開文書の印刷、出版、教育等の事業を展開し、現在では有価証券報告書 で51.2%、株主総会招集通知で40.6%、事業報告書で28.7% のシェアを持つ。近年ではCSR(企業の社会的責任)活動への注目が高まるなか、環境報告書などの新たな印刷需要も生まれている。事業ドメインには「e ディスクロージャー」を掲げ、ITを利用した情報公開支援も展開するなどデジタル技術にもいち早く取り組んできた。
その一方でCTPワークフローの導入は慎重だった。もっともすでに数台のオンデマンド印刷機が稼動しているため、デジタル化に遅れたわけではない。ワークフローの準備と設計に万全を期し、スタートと同時にダッシュできる体制を整えてきた。

2005年11月に大日本スクリーン製造製のワークフローRIP「TrueFlow」とCTPシステムの「PlateRite 8600」を導入し、同年12月の段階でCTP化率は80%。予想をはるかに超えるペースで、CTPワークフローの立ち上げに成功した。

フィルムを面付けし、大貼りし、PS刷版に焼き付けるアナログ工程では一時間当たり6版の生産が限界だった。CTPではこれが一気に20版を超える。このため全体の生産性を上げるには校正紙出力の速度が問われてくる。

決算報告書や事業報告書などディスクロージャー印刷物はカラーも増加しているが、やはりモノクロがメイン。インク ジェットプリンタを使った校正紙も導入したが、モノクロの校正紙を出力するにはスピード、コストともに同社の要求を満たさない。このためモノクロ校正と責 了紙の文字検査用にSIITのモノクロプリンタLP-1010を採用した。

case02_ph1.jpg「CTP の導入を目前に校正用のモノクロプリンタを探していました。他の製品と比べて網の再現性が良いこと、スピードが速いこと、そしてコスト面で優位性があり、 最終的に2005年10月のプレゼンテーションでLP-1010に決めました」(細田氏)。現在ではCTP化率の向上とともにLP-1010の稼動も増 え、1日当たりで100〜200枚の校正紙を出力している。

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アウトラインPDFで運用  細字・網点再現に満足

P-1010が設置されているのは東京都豊島区の本社別館制作部。ここでは制作から面付け作業までを行い、CTPシステムが設置されている東京都北区の浮間工場に通信で面付データを送信する。

ワークフローの運用データではPJTF(ポータブル・ジョブ・チケット・フォーマット)が利用されている。PJTF を利用することで、印刷用のデータであるPDFに製版処理や面付け、出力など作業指示を添付することが可能になる。これにより製版、面付け、出力が自動化 され、省力化につながる。

PDFの形式はアウトラインPDFを採用。CTPに出力する場合は、浮間工場のTrueFlowで大貼り、RIP処理する。制作部でLP-1010に出力する際にはアウトラインPDFを1bitTIFFに変換し、出力することになる。

そうしたワークフローを構築していく上で、やはり課題のひとつに挙げられたのは校正紙を出力するタイミングだった。 フィルムを利用したアナログ工程には青焼き校正が存在した。CTPワークフローではフィルムが不要になり、青焼きが取れない。このため、一般的にCTP出 力前の校正紙出力には高精細のプリンタを利用する。同社も校正システムとしてプリンタを採用することにした。

「カラー印刷物はインクジェットプリンタで良いのですが、モノクロ物ではコストが跳ね上がってしまいます。しかし、 以前使っていたモノクロプリンタは解像度が低く、外校に出すことができませんでした。LP-1010は細字や網がはっきり再現されるし、ノンブルの位置も SIITさんに早急に改良して頂き、かなり精度が高くなっています」(制作部制作四課・小野浩一氏)。

LP-1010で出力した校正紙を外校用に利用するにあたっては営業担当者が顧客先への事前説明にあたった。「文字 の色が青から黒に変わるだけです。営業担当者からの報告ではお客様からの反応は違和感なしとのことでした。お客様は青焼きとかプリンタ出力とかよりもむし ろ、校正までの時間が短くなったことを評価されているようです。これから社内の青焼きの設備はなくしていく方針です」(細田氏)。

case02_ph2.jpg同社の繁忙期は決算期と重なる3月、6月、9月、12月。とくに12月は多忙となり、印刷機はフル稼働の状況となる。もちろんCTPも24時間稼動となり、それに伴って校正システムのLP-1010も昼夜を問わず働き続けることになる。

通常のプリンタは24時間稼動の場合、メンテナンスや不意のトラブルへの対処に不安がある。しかし、LP-1010の場合、「まったくといってトラブルがありません。24時間動いてくれています」という。

SIITはトラブルが起こると予測される前に綿密にメンテナンスする保守体制を構築している。定期的な訪問のほか に、出力枚数などから消耗する部品などを割り出し、故障の芽を摘んでしまう。したがって「紙詰まりもないし、ドラムがおかしくなったこともありません。安 心して稼動することができます」(小野氏)と耐久性も信頼している。

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時間は4分の1に  環境面でも効果

case02_ph3.gif具 体的な成果はまず時間。青焼きに比べ、校正機の出力時間は4分の1に減った。納期の面でも校正出力の待ち時間が短縮され、営業担当者がすぐに顧客先に校正 紙を届けることができるようになった。モノクロ校正のコストも「あまり大きな声でいえないが」(細田氏)、大分、削減されている。

一方、環境面での効果も現れている。同社では環境マネジメントシステムの国際規格である「ISO14001」、森林認 証である「FSC」を取得するなど、環境対策に取り組んでいる。環境保護の効果はCTPワークフローによって薬品を使うフィルム工程が削減されたことが大 きいが、LP-1010も青焼き校正の手間や時間を考慮すると副次的に環境保全に寄与している。
今後、SIITへの要望としては「現在、裏表を手で貼り合せてからお客様に校正紙を出しています。両面印刷が可能になれば手間が省けます。またストッカー があれば紙の仕分けもらくになりそう」(小野氏)という。同社ではカラー印刷の面付け確認に利用することも検討。「大判プリンタで両面と折までできればオ ンデマンド印刷システムとしても活用できるかも」(細田氏)とSIITの技術開発に熱い期待を寄せている。


宝印刷株式会社
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